冬の味覚の王様「ズワイガニ」を10倍おいしく食べる! この道25年の“カニ伝道師”に教わった

公開日: 更新日:

伝食代表取締役 田辺晃司さん

 冬の味覚の王様ズワイガニ。今年は例年より市場価格が安いといわれ、気軽に高級グルメに舌鼓を打つチャンスだ。しかし、めったに食べないものだからこそ、選び方などを詳しく知る人は少ない。そこでこの道25年のカニ伝道師・田辺さんに、ズワイガニを10倍おいしく食べる方法を教わった。

 ◇  ◇  ◇

 ──今冬は安いと言われるがナゼ?

 確かに、市場価格は昨年に比べ2~3割下がっています。そのほとんどが冷凍の輸入ズワイガニです。理由は2つあります。ひとつは昨年が高すぎたこと。中国をはじめとする世界的なカニ需要の高まりで、昨年は例年の1.5倍という相場でした。それが今年は元に戻ったので、昨年より安くなったと感じるのです。

 もうひとつが戦争の影響。ウクライナ戦争の対抗措置として欧米諸国がロシア産の海産物を禁輸している影響で、ロシア産のカニが大量に日本に回ってきているのです。これについては、なかなか手放しでは喜べない理由ですね。

 ──カニの主な産地は?

 ズワイガニの世界3大漁業はロシア、アラスカ、カナダです。最も多いのはカナダで、年間10万トンにも及びます。海はつながっており、カニの種類に大きな違いはありませんが、水揚げ後の処理が地域によって異なり、それが多少鮮度や味に影響します。最も鮮度が良いのは水揚げしてすぐに茹でて冷凍する「船上凍結」。これはロシアが行っています。一方、カナダとアラスカは港に戻ってから茹でて冷凍する「陸上凍結」を主に採用しています。ロシア産はサイズも大きく、消費者の人気も高いのですが、船上凍結は海水で茹でるので塩味が強いと感じる人もいます。最後はお好みですね。

 ──カニの種類は?

 主に市場に出回っているのはズワイガニ、タラバガニ、毛ガニの3種類です。世界的にはキングクラブと呼ばれるタラバガニが1番人気で、ズワイガニや、亜種のベニズワイガニ、ズワイガニのメスのセイコガニまで好むのは日本人くらい。カニミソを珍重するのも日本人だけで、欧米人は見向きもしません。しかし最近は日本のシーフードが注目されており、ズワイガニの需要も高まっています。欧米人がカニミソと熱燗のおいしさに気づいてしまったら、さらに高根の花になるかもしれませんね。

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  2. 2
    一人横綱・照ノ富士が満身創痍でも引退できない複雑事情…両膝と腰に爆弾抱え、糖尿病まで

    一人横綱・照ノ富士が満身創痍でも引退できない複雑事情…両膝と腰に爆弾抱え、糖尿病まで

  3. 3
    ドジャース山本由伸いきなり「投手史上最高の465億円」は“佐々木朗希込み”の値段だったか

    ドジャース山本由伸いきなり「投手史上最高の465億円」は“佐々木朗希込み”の値段だったか

  4. 4
    まともに相撲が取れない貴景勝いまだ現役の裏に「親方株問題」 3場所連続休場で9度目カド番確定

    まともに相撲が取れない貴景勝いまだ現役の裏に「親方株問題」 3場所連続休場で9度目カド番確定

  5. 5
    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  1. 6
    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  2. 7
    福山雅治は自宅に帰らず…吹石一恵と「6月離婚説」の真偽

    福山雅治は自宅に帰らず…吹石一恵と「6月離婚説」の真偽

  3. 8
    ドジャース山本由伸に降りかかる不正投球を疑う目 マウンドでの危険な振る舞いは命取りにも

    ドジャース山本由伸に降りかかる不正投球を疑う目 マウンドでの危険な振る舞いは命取りにも

  4. 9
    竹内結子さん急死 ロケ現場で訃報を聞いたキムタクの慟哭

    竹内結子さん急死 ロケ現場で訃報を聞いたキムタクの慟哭

  5. 10
    マレーシア「ららぽーと」に地元住民がソッポ…最大の誤算は歴史遺産を甘く見たこと

    マレーシア「ららぽーと」に地元住民がソッポ…最大の誤算は歴史遺産を甘く見たこと